酒田市では平成4年に市内実業家の新田嘉一氏から、美術館開館の礎として多数のコレクションの寄贈を受けました。コレクションは油絵84点、日本画22点、版画等7点の計113点に及び、いずれも画壇で評価の高い作家の作品ばかりです。酒田市美術館はこれら貴重な作品群を「新田嘉一コレクション」とし、美術館に収蔵しています。
なかでも、計34点を数える森田茂の作品群は秀逸です。森田は現代日本具象洋画界を代表する画家で、黒川能をモチーフとした作品であまねく高名です。昭和41年にライフワークとなる黒川能に出会い、この黒川能で日本芸術院賞を受賞、昭和51年には日本芸術院会員に推されました。
さらに平成元年、文化功労者に選ばれて、同5年には文化勲章を受章されました。美術館ではこの「新田嘉一コレクション」を常設展示の核として、多くの来館者にご紹介していきます。