生涯にわたって子どもを描き続けた画家・いわさきちひろ(1918-1974)。
大正から昭和にかけての激動の時代を生きたちひろは、戦後、絵本や絵雑誌、教科書などの印刷美術の世界で活躍しました。
「母性の画家」とも呼ばれたちひろは、母親ならではの観察力と、卓越したデッサン力を駆使し、モデルなしで10ヶ月と1歳のあかちゃんを描き分けたといいます。魅力あふれる子どもの姿を描いたちひろの作品は、没後46年を経た今でも、多くの人々の心のなかに生き、愛され続けています。
本展では、ちひろの代表作の他、絵本『おにたのぼうし』や『おやゆび姫』、『戦火のなかの子どもたち』など、精巧な画像表現により再現された「ピエゾグラフ」約100点を展示し、ちひろの画業の全貌を紹介します。
子どものしあわせと平和を願い、描き続けたちひろの世界をお楽しみください。
いわさきちひろ(1918-1974)
福井県 武生 (現・ 越前 市)に生まれ、東京で育つ。東京府立第六高等女学校卒。藤原行成流の書を学び、絵は岡田三郎助、中谷泰、丸木俊に師事。1950年、紙芝居「お母さんの話」を出版、文部大臣賞受賞。1956年、小学館児童文化賞、1961年、産経児童出版文化賞、1973年、『ことりのくるひ』(至光社)でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞等を受賞。代表作に『おふろでちゃぷちゃぷ』(童心社)、『戦火のなかの子どもたち』(岩崎書店)などがある。
◎ピエゾグラフとは◎
ちひろ美術館では、2004年より、その時点での作品の風合いを後世に伝えていくため、原画をデジタル情報として記録し、保存していくアーカイブを続けています。同時に、そのデジタル情報をもとにして、「ピエゾグラフ」の制作も進めてきました。
ピエゾグラフとは、耐光性のある微小インクドットによる精巧な画像表現で、ちひろの繊細な水彩表現まで高度に再現しています。光に強いピエゾグラフは、ちひろの作品の公開の可能性を大きく広げました。
期間 | 2021年1月30日(土)~3月14日(日) |
時間 | 午前9時~午後5時(最終入館は午後4時30分) |
観覧料 |
一般700(560)円、高校生350(280)円、中学生以下無料 ※「身体障害者手帳」、「療育手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」をお持ちの方、およびその介助者1人の観覧料は、半額(20名以上の場合は団体料金の半額)となります。 ※お得な年間券は、3,300円で3名様まで1年間何度でもご利用できます。 |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は翌営業日) |
主催 |
公益財団法人 酒田市美術館、 ちひろ美術館 |
共催 | 酒田市、酒田市教育委員会 |
※作品画像の無断転載・複製を固く禁じます。